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和歌山市の心療内科・精神科クリニック。吉田メンタルクリニックです。

電話でのお問い合わせはTEL.073 448 2300

〒641 0013 和歌山市内原915

精神科の病名のおはなし

精神病と非精神病

精神科領域の診断名は一般の人にとってわかりにくいと思います。
目に見えない病気ですから, 客観的に評価することが難しく、
何カ所か病院を巡ってその度に違う病名をつけられることはざら、

「いったい私は何の病気なの?」と悩まれる方も多いようです。

学派によって症状や病気の原因のとらえ方が変わり
精神科医の間でも 何らかの形で統一された診断システムを確立する必要がある と
論議されてきました。

個人的には精神科病名は, 大きく分けて2つだと思います。

それは精神病と非精神病
症状および病因が一般常識に照らして理解できないものを精神病
了解可能なものを非精神病とするのです。

常識(この言葉はけっこうクセものなのですが)や 現代科学にてらして
不合理な知覚(実際には存在しない声が聞こえる幻聴, 存在しないものが見える幻視など)あるいは考え方(妄想)に支配され, 日常生活が円滑におくれなくなるものを精神病

ストレスにより反応的に精神症状(不安 イライラ感 抑うつ気分 睡眠障害など)や
身体症状(異常発汗 動悸 めまい 胸部不快感など)が出現するものを
非精神病と名づけます。非精神病には「神経症、ノイローゼ」という別名があります。

原則的に精神病と非精神病は交わることがなく、
非精神病が重症化して精神病になることはないとされます(異説はありますが)
この病気命名法は大雑把なように思えるかもしれませんが 臨床上はかなり役に立ちます。

初診の患者さんと面接する際に 精神病には薬物療法 非精神病にはカウンセリングという
一応の第一治療選択ができるからです。

ただし 病名が二つだけではあまりに大雑把で、
病名を聞いただけでは患者さんの実像がイメージできませんし、
病気を研究する上で不便なことが多いため、最近では細かく分類した症状によって病名をつける
(専門用語では操作的手法といいます)傾向にあります。

この病名のつけ方には、マニュアルに従って該当する症状を列挙していけば
誰でも同じ病名にたどりつくので、診断に客観性が導入できるというメリットがあります。

逆に「なんとなく会話の論理展開がおかしい」とか「受け取る雰囲気が希薄である」といった
数量化がむずかしい曖昧な感覚が無視されたり、病気の原因が軽視される傾向にあるという
デメリットがあります。

嫉妬妄想を含むパラノイアは現実なのかそうでないのか判断が難しいことが多いです.

以前 「夫が浮気する」と言いつづけて攻撃すると、夫に連れて来られた妻に対して
妄想性障害(精神病の一種)と病名をつけて治療を開始しましたが
実は浮気が現実と判明し 慌てて診断名をストレス性障害(非精神病の一種)に変え
その夫を叱責した事があります。

入院設備を持たない精神科クリニックで扱うケースのほとんどが非精神病です。




吉田メンタルクリニックYoshida Menlal Clinic

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和歌山市内原915
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精神科での病名やお薬には
どの様な物があるのでしょう?

ここからは 
少し専門的な お話をします